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第10回低平地研究会地盤専門部会
「GEO・ECOコミュニケーションズ」議事録

日  時:平成19年6月28日(木) 18:00〜20:10

場  所:佐賀大学理工学部多目的セミナー室

参加者(順不同、敬称略):

日野  剛徳 佐賀大学低平地研究センター
田口  岳志 佐賀大学低平地研究センター
中村  六史 株式会社新和テクノ
古賀  浩史 株式会社新和テクノ
永池  誠一 日本地研株式会社
山下  武志 日本地研株式会社
上保  繁幸 基礎地盤コンサルタンツ株式会社
喜連川聰容 株式会社軟弱地盤研究所
福岡  仁   朝日テクノ株式会社
島内  明   株式会社島内エンジニア
真崎  照吉 松尾建設株式会社
北村  純一 佐賀大学大学院工学系研究科博士前期課程
三浦友規子 佐賀大学理工学部都市工学科4年生
畑田  雅浩 佐賀大学理工学部都市工学科4年生
山北  耕史 佐賀大学理工学部都市工学科4年生

1. 開会の挨拶等(低平地・日野)

・平成18年度のGEO・ECOは第8回まで行った。本日の資料には第7回野村氏の話題提供の議事録を付けているので、まずは議事録の確認をお願いしたい。

・第8回は学会発表の前段階として学生に行なってもらった。その内容については既に学会で公開されているので、秘守義務はない。また、その議事録については一任してほしい。また、そのままHPに掲載させてほしい。

2. 第7回「GEO・ECOコミュニケーションズ」議事録(案)のチェック

・第7回「GEO・ECOコミュニケーションズ」議事録(案)について、メンバーによるチェックが行われた。

・後日、話題提供者の日本地研(株)野村氏による最終チェックを経てホームページに掲載することとした。

3. 話題「深層混合処理工法の設計・施工の落とし穴」
(基礎地盤コンサルタンツ株式会社 上保繁幸氏)

・テールアルメ10mの2段、総盛土高20mの造成工事。

・テールアルメ直下地盤には十分な深層混合を施していたが、残り2mの盛土段階で変状が生じた。

・原因としては、設計上の問題、盛土施工上の問題、地盤改良施工上の問題があった。

・設計上の落とし穴(問題)として、円弧滑りはコンサルタントが行ない、設計条件のうち地盤強度はその時点で設定されるが、変更が非常に難しい。それは、大きな設計変更を伴うことで非常に嫌がられる。

・施工業者には工法の選定と施工方法および工費の問合せがあるだけで、大きな疑問点がない限り設計内容について触れることはない。

・地盤改良はAc層下のTcw層にできるだけ貫入すべく、当時では大きなスペックの機械を九州から搬入し、攪拌翼先端も硬岩ビットを取付け、貫入できない深度まで施工している。

・Ac層の土質定数は土質試験からの値が用いられているが、Tcw層はN値から道路公団の式によりc、φが推定されている。

・完全な円弧滑りが生じたのではなく、その前段階の変状が生じた。

・クラックは図のように、テールアルメ後ろ15mの位置、前側は15m程度が盛上りを示した。

・幸いにも、元請業者が天端盛土を2mカットし、その土でテールアルメ前面に押え盛土の対応をしたため、大きな災害には至らなかった。

・原因の一つとして、Tcw層の土質定数を経験式から求めているが、バラツキがあるもので、後の調査で過大な定数であったことがわかった。

・もう一つの原因として、プレロード盛土が以前に施工されており、その上に盛土が施工されたことである。変状後のボーリング調査で、このプレロードのり面に削孔深度がきた時、ボーリング水が逸散したことから、このプレロードのり面に水道(みずみち)があったのでは。

・もう一つは、ある区域のAc層の下位にTcw層が堆積しており、このことは一般に考えられないことで、以前にAc層に掘削等の手が加えられたのでは?

・事後の土質調査から得られたTcw層の強度を用いると、円弧滑り計算では完全に不安定な状態であることがわかった。ただ、変状後の調査であり乱れの影響を受けている可能性もある。

・Tcw層は、一旦雨に打たれ乾燥するとパサパサになる。この性質を知らなかったことは大きな失敗である。

・深層混合処理において、着底層であるTcw層がもろい層であれば、十分に貫入されたはずであるが、実際は空回りにより硬い層まで貫入できたかとの施工上の疑問もある。

・対策工として、「計画高を低く変更」する案を提示したが却下され、形状は計画どおりの要求があった。

・色々な対策工を提案したが、最終的には下段テールアルメ前面に抑止杭と鋼矢板を打設し安定性を保つ方法が採用された。

・まとめとして、@他人が作った設計条件はまずは疑って。じっくり見る。 Aこの工事の失敗はどこ?どこに注意しなければいけないかを最初に考える B打合せ事項、特に重要な事項は必ず文書で取り交す、などのことが重要である。

4. 質疑応答

・テールアルメに変状はなかったか?(親和テクノ・中村)

→変形はあった。パネルの組合わせで目地が潰れているところがあり、クラックが入った場所もある。横から見てはらんでいる箇所もあった。(基礎地盤・上保)

・テールアルメの土はφ=30°と思うが、普通の土では出ないので石灰を入れなければならないのではないか?(親和テクノ・中村)

→テールアルメ業者も配合試験を行い、φ=30°と何回も言っていた。(基礎地盤・上保)

・層が変わる面で滑りが起きるのはよくある話か?(低平地・田口)

→Tcw層での改良体の滑動の話だと思うが、確かにその可能性もあるとは思う。ただし改良体自体はTcw層に十分入っており、滑動の可能性は少ないのではないかと思う。(基礎地盤・上保)

・改良体が折れているのでは?(低平地・田口)

→改良率が大きく密に配置されているので、改良体が折れているとは思えない。(基礎地盤・上保)

・滑り面はクラックの場所を通っているのか?(親和テクノ・中村)

→これは想定の滑り線で、実際の滑り面ははっきりしていない。(基礎地盤・上保)

・Ac層が人為的との意味がわからない。(低平地・日野)

→Tcw層がAc層に現れることはまずありえないことから、人為的と思える。(基礎地盤・上保)

・動いた断面図で、15〜20mの範囲が隆起2、30cmとの説明であった。テールアルメと改良体の高さ差はいくらか?(島内エンジニア・島内)

→1m程度。(基礎地盤・上保)

・平成6年なので変形解析ができたのでは?滑りの問題ではなく変形解析の問題では?そうしないと、10、20mの範囲も動かないのでは?

・動態観測をしたとのことだが、変位は?(朝日テクノ・福岡)

→傾斜計を入れた場所をはっきり覚えていないが、事前に設置したものではなく、動態観測はテールアルメの変位を測定されていたと思う。(基礎地盤・上保)

・矢板計算のとき土質定数は?(親和テクノ・中村)

→計算書はあとで、ただし、抑止杭の計算時には矢板は考慮されていないので。(基礎地盤・上保)

→対策後に見に行ったら、若干動いているようであった。(基礎地盤・上保)

→クリープ的な動きであろうか。(島内エンジニア・島内)

・土質定数でφ=0。これは一軸圧縮試験によるものか、それとも三軸圧縮試験によるものか?(松尾建設・真崎)

→確か三軸UUではなかったかと思う。(基礎地盤・上保)

・上層で?(島内エンジニア・島内)

→改良体のすぐ下端だと思う。(基礎地盤・上保)

・クラック範囲以外の調査はなされたのか?(日本地研・山下)

→多分やっていないと思う。クラックの範囲中だけ。(基礎地盤・上保)

・13年も前にテールアルメは10mも積めたのか?(松尾建設・真崎)

→非常に珍しい事例である。(基礎地盤・上保)

・私が関係したテールアルメ10mの事例では、φ=35°で砕石か改良土しかなく、現場では改良土を用いて引張り試験をして確認した。円弧すべりデータを見たらc、φがあるので、改良土では?また、上のテールアルメ基礎下はなにもなく盛土の上?不安である。(松尾建設・真崎)

→テールアルメは全体で持つから基礎にかかる荷重は小さいのでokとの見解。(基礎地盤・上保)

→改良体の滑動を計算するときの土圧は、テールアルメ天端からの土圧ではなく、テールアルメは土として一体であり、柔な構造物で改良背面だけに土圧が作用するとの見解。(基礎地盤・上保)

・内部安定、外部安定の話は聞いたか?(島内エンジニア・島内)

→動いてから自分的に考えたら微妙な値である。事実、現状がもっていることがメーカーとして大きな自信と発想になっているのでは。(基礎地盤・上保)

・道路公団の土質定数の経験式は使われるか?(低平地・田口)

→良く使う。非常に恐い面があるが、非常に便利。(島内エンジニア・島内)

・円弧滑り計算はどのようにしたのか?Tcw層を切るのであればもっと大きな円弧が出て、安全率はもっと小さいような気がするが?(日本地研・永池)

→Tcw層、特に改良体のすぐ下を通るように滑り線を限定したものと思う。(基礎地盤・上保)

5. 次回の開催について

・話  題:

 「法面対策における問題点および安定処理土の圧密養生効果に関する研究」
 佐賀大学低平地研究センター 田口岳志氏

・議事録:

 親和テクノ株式会社 古賀浩史氏

・日  時:

 平成19年7月26日(木) 18:00〜

・場  所:

 佐賀大学本庄キャンパス 理工学部6号館DC棟2階 多目的セミナー室

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