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第5回低平地研究会地盤専門部会
「GEO・ECOコニュミケーションズ」議事録

日  時:平成18年10月26日(木) 18:00〜20:00

場  所:佐賀大学本庄キャンパス 理工学部6号館2階 多目的セミナー室

参加者(順不同・敬称略):

島内 明   株式会社 島内エンジニア
中村 六史  株式会社親和テクノ
野村 正二  日本地研株式会社
永池 誠一  日本地研株式会社
上保 繁幸  基礎地盤コンサルタンツ株式会社
日野 剛徳  佐賀大学低平地研究センター
今村 敬   佐賀大学低平地研究センター
根上 武仁  佐賀大学理工学部都市工学科
真崎 照吉  松尾建設株式会社
岩切 秀積  佐賀大学理工学部都市工学科4年生
北村 純一  佐賀大学理工学部都市工学科4年生

1. 市民フォーラムへの参加の呼びかけ(H18.10.27)(低平地・日野)

 軟弱地盤研究会と重なるが是非参加して欲しい。

2. 平成18年度低平地研究会シリーズ講演会の案内について
   
(低平地・日野)

 第1回(水専門部会担当)       H18.10.13
 第2回(水専門部会担当)       H18.10.20
 第3回(歴史専門部会担当)      H18.11.10
 第4回(地盤専門部会担当)      H18.12.1
 第5回(地域デザイン専門部会担当) H18.12.8
 第6回(暮らしと文化専門部会担当) H19.1.12
 第7回(経済専門部会担当)      H19.3.2

3. 第4回「GEO・ECOコミュニケーション」議事録(案)のチェック

 ・松尾建設株式会社真崎氏より内容修正の指摘があったので、修正した。

4. 話題「土の微視的構造について」
 (佐賀大学理工学部都市工学科 根上武仁氏)

 ・有明粘土の微視的構造の違いを用いて、力学的違いを説明できないかと思っている。

 ・有明粘土の乱さない試料、練り返した試料を高温及び室温状態で再圧密した試料の計3試料について、ポロシメーターを用いた間隙径分布測定と電子顕微鏡による土の観察を行った。この結果から、有明粘土の微視的な土構造の構成要素を求め3者の微視的構造の違いについて考察した。

 ・再圧密試料は粘土を自然状態で十分に練り返して約80度の高温状態と約20度の室温状態で再圧密した。

 ・再圧密時の荷重は乱さない試料の圧密降伏応力と同程度とし、2週間かけて段階的に載荷した。

 ・有明粘土中には珪藻遺骸や破砕した珪藻遺骸小片が全体に分布し、アグリゲーションやリンクができている。

 ・電子顕微鏡観察結果では乱さない試料は凹凸が明確で立体的な様相を示すが、高温試料は全体にフラットな様相を示す。室温試料では、乱さない試料に見られた比較的大きな版状の土粒子があまり見られず、小さい土粒子が集合してアグリゲーションを形成している。

 ・間隙径測定分布に関しては、乱さない試料は間隙径10μmを中心としたピークが1箇所に分布しているが、高温試料、室温試料は2箇所にピークを有する間隙径分布をしている。

 ・三者ともに間隙径が0.2μm以下の間隙がほぼ同じであることから、0.2μm以下の間隙は練り返し・再圧密では変化しないと考えられる。

 ・一般に間隙径分布測定試験では、団粒子内部の間隙と団粒子間の間隙が測定されるため、二つのピークを持った間隙径分布が測定される。

 ・乱さない有明粘土ではアグリゲーションを連結するリンクが存在し、このリンクによって囲まれた空間が存在する。つまり、アグリゲーション間の間隙空間はマクロポアとリンクで囲まれたメゾポアに分類でき、乱さない試料ではリンクが破壊・切断されていないため1ピークを示す。再圧密試料では、リンクが切断されメゾポアに相当する間隙径にピークがなくなり、アグリゲーション内間隙であるミクロポアとアグリゲーション間間隙のマクロポアの2箇所にピークを持つと考えられる。

 ・高温試料と室温試料では両者の間隙径分布は類似しているが、20μm付近の大きさの間隙は前者のほうが後者より多いことが分かる。

 ・乱さない試料の、圧密荷重増加によって大きい領域に存在するピークが小さい領域に移動していることから、圧密荷重の増加による圧縮は比較的大きな間隙から生じることが分かる。

 ・高温試料は2ピーク型を示し、前者同様に圧密荷重の増加による圧縮は比較的大きな間隙から生じることが分かる。荷重が12.8kg/cm2まで増加するとピークが消滅し、同荷重レベルの乱さない試料と同じような間隙径分布を示す。室温試料は高温試料と同じような傾向を示した。

 ・各試料とも圧密荷重載荷の前後で0.2μm以下の分布に影響がないことから、この間隙は練り返し・再圧密による影響を受けず、アグリゲーション内部の間隙であると考えられる。

 ・乱さない試料、高温試料、室温試料ともに間隙径分布の中心がミクロポアに移行するのは、リンクの破壊・切断によるアグリゲーションの再分布と、それに伴う間隙の減少に起因する。

 ・有明粘土中の珪藻遺骸の量が物性に与える影響が大きいと思われる。

 ・珪藻土は塩分濃度の変化で液塑性限界は変化しないが、ベントナイトは変化する。

 ・人工的に有明粘土(珪藻土+ベントナイト+カオリン)を作った場合、温度変化に対する変化はないが、塩分濃度に対する変化は珪藻土に起因する変化が見られた。

5. 質疑応答、感想意見、等

 ・水分があると電子顕微鏡は観察できないのか?(島内エンジニア・島内)

 →電子線が空気中のチリで乱反射するため、観察できない。(佐賀大学・根上)

 ・電子顕微鏡の画像には色は付かないのか?(親和テクノ・中村)

 →付けられない。色を持たせると焦点深度が浅く、立体的に見えにくい。倍率は3000倍が限度に近い。(佐賀大学・根上)

 ・乱さない試料は1ピーク型、再圧密試料は2ピーク型になっている特徴を用いてシンウォールの乱れの判定に使用できないか?(低平地・日野)

 →可能であるかもしれないが、そもそも5mm×5mm×7mmの電子顕微鏡用試料を乱さないで作製することが困難である。(佐賀大学・根上)

 ・同様に改良体の改良効果の観察に使用できないか?(低平地・日野)

 →エトリンガイトの多少の観察は可能であるが、補助的な意味合いになると思われる。この研究を工学的に使うのは困難。(佐賀大学・根上)

 ・再圧密試料の高温(80度)に意味はあるのか?(松尾建設・真崎)

 →本当は90度でやりたいが・・・。40度と20度では同じ結果になる。他から何も混入せずに粒度組成に影響がないと考えるため。セメントなどを加えた事例もある。(佐賀大学・根上)

 ・高温環境では珪藻遺骸は溶けるのでは?珪藻土中のシリカ濃度は何%?(低平地・日野)

 →溶けるかも。70〜80%。(佐賀大学・根上)

※補足:珪藻遺骸は無定型シリカ。現石灰マニュアルにおける固化メカニズムには問題が考えられ、石灰と反応しているシリカ分はむしろ珪藻遺骸ではないかと考えている。ちなみに、珪藻土に水を加えて石灰を加えても固まらない。これは、珪藻土自体が酸性であるため固化以前に中和反応が起きているため。酸化で赤くなるのはパイライトが原因。

 ・芦刈で松尾建設と試験施工をしたときに、表層の砂礫層と粘土層の強度発現が見られなかった。そこで現場周辺地盤のpH、有機物含有量を計測した結果、pHが5程度であることがわかった。このようなことは通常の自然環境ではあり得ないことであり、もしほんとうであれば今現在、地盤環境の変化が起こっている可能性がある。九州大学のデータでは六角側の周辺はpHが4程度というものがある。石灰は効きにくく、セメント(セメントも効きにくくなるかも)を使用した方がいい。配合試験に用いるシンウォール等は迅速に取り扱うべき。(低平地・日野)

 ・鹿児島の地盤工学会で、ある研究グループが炭酸塩濃度を10年程度たった試料から測っていた。本来はフレッシュな方がいい。現在の実態では試料の時間に伴う変化に関心が薄い。(佐賀大学・根上)

 ・生物起源パイライト由来のヒ素の影響を極力受けないために、排土がでない深層混合ができないのか?(低平地・日野)

 →排土式を使えば可能ではあるが、六価クロムのほうが問題。ペーパードレーンでもヒ素が混入した水が上がってくるのか。(松尾建設・真崎)

 →上がってくるが、盛土中までは上がらない。(日本地研・野村)

 ・真空圧密の場合は水質検査を行っているが、実際ヒ素が出ている。大和町では井戸からもヒ素が出ている。今年は粘土にヒ素、フッ素、ホウ素が改良によって封じ込められるのかを佐賀大学で実験予定である。(松尾建設・真崎)、(日本地研・野村)・(低平地・日野)

 ・電子顕微鏡で写真を撮るのにいくらぐらいかかるか?九大では1枚2000円。(親和テクノ・中村)

 →ポラロイド一枚で300円。メーカーにもよるが、業者によると1ショット10,000円。依頼があれば対等可能。できれば生試料(こぶし大程度)。写真はなれないと目的物が分かりにくい。(佐賀大学・根上)

 ・e-log pの高圧部分の土構造は微視的観点から言って乱れているのか?(低平地・ 日野)

 →違うと思う。圧縮のプロセスが違うし、乱れのレベルが表現しにくい。(佐賀大学・根上)

 ・今の有明粘土を正規圧密粘土と言っていいのか?練返し再圧密試料が本当の正規圧密ではないのか?(低平地・日野)

 ・圧密試験は通常の試験か?(松尾建設・真崎)

 →通常の試験である。(佐賀大学・根上)

 ・一度乱した試料は強度が戻るのか。(?・?)

 →一年半で元に戻った事例がある。(親和テクノ・中村)

 →サンドコンパクションの時に近くで試料を取ると、一端強度は落ちるが時間の経過とともに強度は増加する傾向にある。おそらく側圧の影響であると考えられる。間隙は小さくなる。(日本地研・野村)

6. 次回の開催について

・話  題:
      「有明海沿岸道路(大牟田大川道路)における調査・設計・施工(仮)」
      日本地研株式会社 野村正二氏

・議事録:
      朝日テクノ株式会社 福岡  仁氏

・日  時:
      平成19年1月25日(木) 18:00〜20:00

・場  所:
      佐賀大学本庄キャンパス 理工学部6号館2階 多目的セミナー室

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