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田上 裕博士

田上  裕(たのうえ ゆたか)博士

基礎地盤コンサルタンツ(株) 九州支社長

技術士(建設・応用理学・総合技術管理)
博士(工学)

※当日の講演資料については、後日低平地研究会から概要版の発行が予定されていますので、今しばらくお待ち下さい。

平成18年度低平地研究会シリーズ講演会〜第4回〜
開催報告

日  時:平成18年12月1日(金) 15:00〜17:00

場  所:佐賀大学本庄キャンパス 理工学部6号館1階 大講義室

内  容:「地盤を知って得をしよう」

講  師:田上  裕(たのうえ ゆたか)博士
      基礎地盤コンサルタンツ株式会社 九州支社長

参加者:40名

 低平地研究会では、山西博幸幹事長(佐賀大学低平地研究センター助教授)を始めとする企画のもと、平成18年度から各専門部会の持ち回りによるシリーズ講演会が催されることになりました。地盤専門部会の担当は、第4回目に定められました。

 参加者の興味を引く話題は何だろう?、講師は誰にお願いするのがよいだろう?、などについて、GEO・ECOコミュニケーションズにおいて複数回にわたる議論を続けました。佐賀県では有明海沿岸道路プロジェクトが本格始動する矢先でもあり、今回は地盤の調査・設計・施工に関する話題が適当との共通理解を得ました。そこで、この分野の豊富な経験をお持ちであり、ユニークなご講演をされることでも定評な田上 裕(たのうえ ゆたか)博士に講師をお願いすることになりました。

 田上博士は現在、基礎地盤コンサルタンツ株式会社の九州支社長を務められており、複数の大学の非常勤講師も兼任されるバイタリティに溢れる方です。筆者は博士後期課程の学生時代:

1)当時の土質工学会(現、地盤工学会)本部委員会「堆積環境が地盤特性に及ぼす影響に関する研究委員会」(委員長:陶野郁雄博士(現、山形大学教授));

2)その九州地区部会(九州地区部会長:三浦哲彦教授(現、佐賀大学名誉教授))

の席で初めて田上博士とお会いし、以来様々な面でご指導をいただいています。さっそく田上博士にコンタクトしたところ、快く講師をお引き受けいただく運びとなり、一安心しました。

 さて、去る平成18年12月1日(金)の15:00から17:00にかけて、シリーズ講演会を開催しました。準備を進める途中でわかったことなのですが、参加者側にとっては12月の初日、金曜日、時間帯、と3拍子そろって不都合日とのことで、果たして参加者を得ることができるか不安になりました。40名の方々にご参加いただき、安心は重なりました。

 講演内容については:

1)地盤を理解して、うまく利用するのがコスト縮減の近道;

2)地盤調査の役割は、「地盤の有する力を(活かすために)適切に評価し、設計用にモデル化すること」にある;

3)作るための調査が必要。わかるための調査は必要ない;

4)わからなくなったら、基礎に帰ろう
  粘土・・・透水性悪い 砂・・・透水性良い

5)N値万能という考えは改めるべき;

6)「絵に描いたモチ」的な解析・設計は行わないこと;

7)技術開発が自由に行えるような世の中になれば・・・

 などの項目について明確に仕分けしていただき、わかりやすくお話し下さいました。

 講演をお聞きしていく中でまず印象深かったのは、少ないボーリング本数で地下断面を予測するときのことです。砂礫層が1本だけユニークに認められます。通常は誰しも谷地形的にその存在をイメージすると思いますが、博士の発想はまったく逆。山地形的に断面図を描かれるのです。確かに自然現象としてはあり得ない、しかしながら山地形的な発想をすることによって設計・施工上の安全性は向上する、なるほど!です。

 また、筆者にとっては研究の生命線でもあるオールコアボーリングに認められる問題点の指摘もあり、少し落ち込んだりもしました。これまでに、発注側が「オールコアを上げろ」と注文し、受注側はそれを「できます」、と対応することでオールコアボーリングは進められてきたはず。ならば、これまでのオールコアボーリングにはどれだけの表裏が包み込まれているのだろう、と疑心暗鬼に陥ったり。このあたりのことについては、さらに勉強を重ねてみようと思います。

 今後の技術者育成における大学教育からの取り組みについても、たいへん有益なご助言をいただくことができました。日頃から先輩諸兄には「もっと現場に出よ!」と檄を飛ばされ、これを実践してきたつもりなのですが、まだまだ場数が足りないと思いました。今から研究室学生達の悲鳴が聞こえてきそうですが、これに絶えて「現場主義」を貫きたいと思います。

 講演会を終えて懇親会を行い、そこではさらに貴重なお話を聞くことができましたが、胸の内に...

 この度の田上博士のご講演に対し、この場をお借りし改めて感謝申し上げます。毎年お呼びしてお話を聞いても損はないと思いました。また企画を仕掛けたいと思います。田上博士は、ご自身の命も省みられないほどに魚釣りを愛されています。ぜひ誘われてみてはいかがでしょう?

地盤専門部会長
日野剛徳 記
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