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 三浦哲彦先生の退官記念事業






日野剛徳
三浦哲彦先生の退官記念事業
佐賀大学低平地研究センター 日野剛徳

 師の退官を意識し始めたのは、研究室で還暦祝賀会を催してからのことと思う。そんなに早く追い出したかったかと聞こえてきそうだが、決してそうではない。

 師の佐賀大学における19年間の軌跡は、低平地研究No.10を始め他誌に詳しい。

 師が還暦を迎えられた年は、既に産官学にわたる幅広い活躍をされていたので、祝賀会を催すとは言えどこまでお声をかけてよいか想像できなかった。低平地防災研究センターの助手に採用していただいた年であり、研究室OB・OGとしては中間代でもあったので、歴代OB・OGに声をかけて実行委員会を組織し、迷いを分けた。結局は、研究室OB・OGのみで師を占めることになった。祝賀会を終えて、各方面から誘いがなかったことのクレームが相次いだ。これが退官

記念事業にいたればどうなることやらと、妙に心配を覚えたのがその始まりであったと思う。

 その後、師による事ある度の退官カウントダウン効果も相まって、そのときが近づいていることを忘れることはなかった。しかし5年という歳月は、どこかで隙をもたらすことにもなった。いざ退官年度を迎え、今度ばかりは研究室OB・OGのみで独占するわけにもいかず、色々と根回しに走るが全て空回りに終わった。最終的には荒牧軍治実行委員長(当時副学長)の鶴の一声で後ろ盾を得ることができ、無事開催に漕ぎ着けることができた。

 実行委員長のいる副学長室を度々訪れては打ち合わせを行った。どうせやるからには盛大に、と話が弾み、誰を呼び水にするかに及んだ。三笠正人大阪市立大学名誉教授をお招きする話になったときは驚いた。我が身を置く地盤工学の権威として有名なのはもちろんのこと、主役である師との年齢が逆転するし、一体どう当日を組み立てればよいか想像できなかった。この踏ん切りがついてからは、さらに実行委員長流勢いに乗って全体を定め、当日に臨むことになった。

 ホテルニューオータニ佐賀で退官記念事業を開催した。170名超のご参加をいただいた。午後の時間帯を利用し、三笠名誉教授と師によるそれぞれのご講演、続いて荒牧コーディネーターによる軟弱地盤談義、これらを一通り終えて祝賀会、と進めていった。三笠名誉教授の関空問題に関するご講演では絶妙な三笠節が交えられ、終始会場の笑いを誘われていたこと、師が山口大学時代における産との交流に関して反省されていたこと、荒牧コーディネーターによる地盤工学今昔物語が綴られたこと、などのことがあったと聞いている。祝賀会では川上義幸佐賀県土木部長(現、佐賀県副知事)、橋口公一九州大学大学院教授、原田彰NPO技術交流フォーラム副理事長、などの方々による来賓祝辞をいただいた。陣内孝雄参議院議員の予想だにないご参加があり、慌てた。陣内参議院議員には最初に来賓祝辞をいただいた。

 それにしても、気がつけばなんとユニークな事業であったか。オレのせいにしておけ!、と荒牧実行委員長に再び救われた。事業を終えて会場の地下に降り、2人で食べた中華そばはちょっぴり塩辛かったし、美味かった。

 祝賀会終了に伴い、師とご夫人には会場出口に立っていただき、来場各位を見送っていただいた。出口を過ぎる各位に対し、師が何やら囁かれていた。聞けば2次会への誘いであったが、筆者はそれを段取りしていなかった。どちらへの誘いか尋ねると、毎年研究室OB・OG定例会で愛用していた店へであった。店の雰囲気をよく知っていただけに様々な心配が過ぎるが、まだ後処理が残っていて動けない。必死に後追いすれば、既に2次会会場は台風の過ぎ去った如し、であった。にも関わらず、師やご夫人を始め各位の絶えぬ笑顔が見られたので、もはや細かいことはよしとした。

 師は退官後、佐賀大学から名誉教授を授与されたことを改めて報告しておきたい。さらに師は、今後の佐賀低平地における土木・土木環境技術者の更なる発展に寄与したいとの考えで、(株)軟弱地盤研究所を設立され、事務所を構えられた。筆者は変わらぬ交流を深めていただいているが、退官を経られた師はまるで水を得た魚の如く、一層元気に活躍されている。むしろ今のほうが若々しいようにさえ見える。

 師の退官とともに、建設工学科、都市工学科へと続いた三浦研究室の歴史も幕を閉じた。しかし、まだまだ集える場所が佐賀にはある。師への一層の想いをいたそう、変わらぬ集いの機会を持とう!

 末筆となりましたが、荒牧軍治先生を始め、古賀憲一先生、丹羽和彦学科長、林重徳センター長、外尾一則前学科長、柴錦春先生、根上武仁先生、西田耕一博士(松尾建設(株))、波江智子さん(元事務補佐員)、三浦研究室OB・OG各位、柴研究室院生各位、日野研究室学生各位には、三浦哲彦先生の退官記念事業に際し多大のご理解ご協力を賜りました。記して感謝の意を表します。

出典「特集:三浦哲彦教授のご退官,楠志会会報2003,楠志会,pp.6-7,2003.」
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